「復帰すれば何とかなる」は嘘だった。売れないママ美容師の現実 - まーりえ.com

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「復帰すれば何とかなる」は嘘だった。売れないママ美容師の現実

2026-01-16

こんにちは、りえしゃん (riechan_delier) です。

今回は私自身のリアルな現状のお話。

私は子供を産んで1年半育休で美容師から離れていました。

正直に言うと、職場復帰すれば何とかなると思っていました。


育休前に担当していたお客さんもいるし、技術だってゼロになったわけじゃない。

時短勤務とはいえ、また少しずつ戻していける——

そんな淡い期待を抱えて、私はママ美容師として現場に戻りました。

でも現実は、想像していたものとはまったく違いました。
出勤初日、空白の目立つ予約表を見た瞬間、胸の奥がズンと重くなったのを今でも覚えています。

「あれ、私ってこんなに売れなかったっけ?」そんな言葉が、頭の中を何度もぐるぐる回りました。

誰かに責められたわけじゃありません。

それでも、なぜか自分の居場所がなくなったような気がして、心だけが取り残されていく感覚がありました。

これは、キラキラした復帰成功談ではありません。
売れないママ美容師として職場に戻り、現実を思い知らされた私の、正直すぎる記録です。

職場復帰前、私が思い描いていた“理想”

育休に入る前、私は「復帰したら、また少しずつ元に戻っていける」と自然に思っていました。
育児で生活は変わるけれど、美容師としての自分は大きく変わらない。

そんな感覚が、どこかにあったのだと思います。


今振り返ると、それは希望というより、現実を深く考えないための思い込みだったのかもしれません。


お客さんは自然と戻ってくると思っていた

育休前の私は、これまでと同じ感覚で復帰後のことを想像していました。
一度担当したお客さんは、しばらく会えなくても、また戻ってきてくれる。

特別なことをしなくても、復帰すれば自然と予約は入る——そんな風に考えていたのです。

育休に入る前、「また復帰したらお願いしますね」と声をかけてくれたお客さんの言葉も、私の中で大きな支えになっていました。
その言葉を疑うこともなく、「きっと大丈夫」と信じていました。

でも今思えば、それはお客さんの優しさを、そのまま未来の約束だと思い込んでいただけだったのかもしれません。

環境も、時間も、選択肢も変わる中で、同じように戻ってきてもらえるとは限らない——当時の私は、そこまで想像できていませんでした。


時短=気持ちにも余裕ができると思っていた

時短勤務での復帰が決まったとき、正直少し安心していました。
フルタイムよりも働く時間が短い分、心にも余裕ができて、家庭と仕事のバランスが自然と取れるはず。

そんなイメージを持っていたからです。

「限られた時間の中でも、効率よく動けば大丈夫」
「今までより無理をしなくても、うまく回せる」
そうやって、自分なりに“ちゃんとやれる未来”を思い描いていました。

ただ、その時の私は、時間が短くなる=負担が減ると思い込んでいました。
実際には、やることは減らないまま、時間だけが短くなる可能性があること。
そして、仕事と家庭、どちらにも全力で向き合おうとするほど、心が休まらなくなることを、まだ知らなかったのです。

空白だらけの予約表を見たとき

出勤して一番最初に目に入るのは、その日の予約表でした。
復帰前は、そこを見るたびに少しワクワクしていたはずなのに、復帰後は違いました。

私の名前の横だけ、ぽっかりと空いた時間。
一つ、また一つと続く空白を見た瞬間、胸の奥がひんやりする感覚がありました。
「まだ時間があるから大丈夫」と思おうとしても、視界に入る空白は、容赦なく現実を突きつけてきます。

周りに目を向けると、他のスタッフは次々とお客さんに呼ばれ、忙しそうに動いていました。
予約表がびっしり埋まっている人、当日予約が次々入る人。
その光景を見たとき、同じ場所に立っているはずなのに、まるで自分だけ取り残されたような気持ちになりました。

「私、こんなに売れなかったっけ?」
その問いが頭から離れなくなった瞬間でした。

技術があっても、売れない理由に気づいた

売れない現実が続く中で、私はずっと心のどこかでこう思っていました。
「技術はあるはずなのに」「ちゃんとやってきたのに、どうして?」と。

でも時間が経つにつれて、少しずつ分かってきたことがあります。
売れない理由は、技術が足りなかったからではなく、“選ばれるための行動”をしてこなかったからだったのだと。


「待っていれば選ばれる」は通用しなかった

これまでの私は、正直に言うと「美容師は技術さえあれば大丈夫」だと思っていました。
良い仕事をしていれば、いずれお客さんはついてくる。
特別なことをしなくても、目の前のお客さんに集中していればいい。そんな考え方です。

その結果、私は集客らしい集客を、ほとんどしてきませんでした。
SNSで自分の仕事を発信することも、正直後回し。
「そこまでしなくても大丈夫」と、どこかで思っていたのだと思います。

でも復帰後、なかなか予約が埋まらない現実に直面して、ようやく気づきました。
今は、ただ待っているだけでは選ばれない時代なのだということに。
美容師も、自分がどんな人で、どんな仕事をしているのかを、自分の言葉で伝えていく必要がある
その当たり前の事実を、ようやく実感しました。正直、心が折れかけた瞬間

復帰してしばらく経つと、売れない現実が「一時的なもの」ではなく、
じわじわと日常として積み重なっていきました。
特別に大きな出来事があったわけではありません。
でも、小さな出来事が重なって、気づけば心が限界に近づいていました。


指名してくれていた人が戻ってこない

育休前、何度も指名してくれていたお客さんがいました。
「復帰したらまた来ますね」
そう言ってくれた言葉を、私はずっと信じていました。

でも、復帰してもその人たちは現れませんでした。
予約表を見ては、「今日は来るかもしれない」と期待して、
結局そのまま一日が終わる。
そんな日が何度も続きました。

理由は分かりません。
生活スタイルが変わったのかもしれないし、
他の美容師さんを見つけたのかもしれない。
頭では理解していても、
「選ばれなかった」という事実だけが、静かに残りました。


別のスタッフの方が売れている

同じ時間、同じ空間で働いているのに、
自分よりも予約が埋まっているスタッフを見ると、
どうしても気持ちが揺れました。

忙しそうに動く姿を横目に、
空き時間の多い自分。
「私に足りないものは何なんだろう」
そんな疑問が、何度も頭に浮かびました。

比較したくないと思っても、
数字や予約状況は、自然と目に入ってきます。
誰かが悪いわけではないのに、
自分だけが取り残されているような感覚が、
少しずつ自信を削っていきました。


悪い口コミで落ち込む

追い打ちをかけるように、
たまたま目に入った一つの悪い口コミ。

良い口コミがいくつもあっても、
なぜかその一文だけが、強く心に残ります。
「やっぱり向いてないのかな」
「復帰するタイミング、間違えたのかな」
そんな考えが止まらなくなりました。

仕事の評価が、文字として残る怖さ。
それを冷静に受け止められるほど、
当時の私は余裕がなかったのだと思います。

それでも、私が美容師を辞めなかった理由

何度も「辞めた方が楽かもしれない」と思いながら、それでも私は美容師を続けています。
はっきりとした覚悟があったわけでも、強い自信が戻ったわけでもありません。
ただ、辞める決断ができなかった理由が、いくつか心の中に残っていました。


たった一人の「またお願いしたい」

ある日、仕事終わりにお客さんからかけられた一言が、今でも忘れられません。
「また次も、お願いしていいですか?」

予約がたくさん入ったわけでも、指名が一気に増えたわけでもありません。
数字で見れば、何も変わっていない一日でした。

それでも、その言葉は、私の中にまっすぐ残りました。
ちゃんと向き合った仕事が、誰かに届いた。
「今日の私は、無駄じゃなかった」と思えた瞬間でした。

売上や指名の数ばかりを見ていた私にとって、
“たった一人でも必要としてくれる人がいる”という事実は、想像以上に大きな支えになりました。


子どもに見せたい背中があった

もう一つ、辞める決断ができなかった理由は、子どもの存在です。
完璧に働く姿を見せたいわけではありませんでした。
むしろ、うまくいかなくても、悩みながらでも、続けている姿を見せたかったのだと思います。

仕事は楽しいことばかりじゃない。
しんどい時もあるし、思い通りにいかない日もある。
それでも、投げ出さずに向き合う姿を、いつか見てほしい。
そんな気持ちが、心のどこかにありました。

「働く=しんどいもの」
「我慢するもの」
そんなイメージだけは、子どもに残したくありませんでした。


美容師を嫌いになれなかった

そして何より、大きな理由はとてもシンプルでした。
どれだけ落ち込んでも、悩んでも、私は美容師という仕事を嫌いになれなかったのです。

鏡の前に立って、お客さんと向き合う時間。
髪を通して気持ちが少し軽くなる瞬間。
「ありがとう」と言われたときの、あの感覚。

売れていない今の自分は、正直好きではありません。
でも、美容師として働く自分そのものを、否定することはできませんでした。

だから私は、辞めるのではなく、
やり方を見直すことを選びました。
この選択が正しいかどうかは、まだ分かりません。
それでも、「嫌いになれなかった」という気持ちだけは、本物でした。

この現実を、復帰前の私に伝えるなら

もし今、職場復帰を目前にして不安と期待が入り混じっている過去の私に、言葉をかけられるとしたら。
きっと私は、励ましすぎることも、脅すこともしないと思います。
ただ、実際に経験したことを、そのまま伝えたい。
「思っているより甘くはない。でも、終わりでもないよ」と。


甘くない。でも終わりじゃない

復帰後すぐに結果が出ないことは、珍しいことではありません。
売れない時期があると、「自分はもうダメなんじゃないか」と感じてしまいがちですが、今思えばあの時間は、何も生まれていなかったわけではありませんでした。

焦りや悔しさの中で、自分に足りなかったものに気づき、これからどう働きたいのかを考える時間でもあったのです。
そう考えると、売れない時期は、次に進むための準備期間なんだと思います。

やり方を変えずに結果だけを求めるのは、やはり無理がありました。
でも、戦い方を変えれば、見える景色も少しずつ変わっていきます。
今はまだ実感できなくても、その一歩一歩は、確実に未来につながっていくと信じています。


ママになったからこそ、できる働き方がある

ママになってからの働き方は、独身時代と同じではいられません。
使える時間は限られていて、思い通りに動けない日も増えます。
でもその分、「何に時間を使うか」を以前よりも真剣に考えるようになりました。

限られた時間の中で、自分が何を大切にしたいのか。
どんな働き方なら、無理なく続けられるのか。
その整理に役立ったのが、手帳や記録、感情を書き出す時間でした。

うまくいかなかった日も、
なぜ落ち込んだのか、何が引っかかっているのかを書き出すことで、
感情に振り回されすぎずに、次にどう動くかを考えられるようになりました。

ママになったからできなくなったこともあります。
でも同時に、ママになったからこそ気づけたこと、選べる働き方もあります。
復帰前の私には、ぜひそれを知っていてほしいと思います。

まとめ|売れないママ美容師として、今ここにいる

私は今も、はっきりとした答えを持っているわけではありません。
売上も、働き方も、気持ちの整理も、まだ模索中です。
うまくいく日もあれば、また不安に引き戻される日もあります。
それでも、「売れないからダメ」「復帰は失敗だった」と決めつけることは、もうしなくなりました。

この記事に書いたのは、特別な成功談ではありません。
職場復帰して、思っていた現実とのギャップに戸惑い、落ち込み、それでも立ち止まりながら前を向こうとしている、今の正直な気持ちです。

もし今、仕事復帰を前に不安を感じている人や、復帰したものの思うようにいかず、自分を責めている人がいたら。
「こんな風に感じるのは、あなただけじゃない」
そう伝えられたら嬉しいです。

ママになっても、美容師として悩むことはあります。
売れない時期があっても、迷っている時間があっても、それで終わりではありません。
同じ立場で悩みながら進んでいる人が、ここにもいます。

今はまだ道の途中。
それでも、今日も美容師として立ち続けている。
同じ場所で立ち止まっているあなたに、そっとエールを送ります。

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